21Nov

今年初めて理論の勉強を始められた受験生へ。「一回で覚えようなんて考えちゃいけません!」
受験勉強は、何度も反復していつの間にか「覚えてしまった」という状況を意図的に作っていく作業です。
つまり、勉強はマジックではないのですね。高度なテクニックなんてあってないようなものなのです。「急がば回れ」。王道を行きましょう。
このブログでも何度か勉強方法を紹介していますが、そのとき、そのときで別の視点からとらえて解説しています。でも、結局、強調していることは終始一貫しているつもりです。
まず何でもいいから自分がコレだ!と思った基本の教科書を買ってきて、それを一回転させます。この時点ですべてを理解しなくていいのです。最初に素読みをして、その分野のイメージをある程度持っておきます。なんとなく好きとか、う~ん難しそうとか、そんな感想みたいなものでもいいです。
この素読みをして、これから学ぶべきことの全体についてザっと見ておくだけで、心の準備ができます。私もガイダンスなどではよく「最初に全体像を把握しましょう。」なんて言うのですが、丁寧に説明するとこんな感じなのです。
「全体像」という言葉だけが独り歩きして、「全体像」を完全に掴み切ろうとすると学術的にとらえなければならないし、消費税法は法人税法や所得税法、また、国税徴収法、国税通則法など他の税法とも複雑に絡み合っていますので、消費税法のことだけ考えるのは無理があります。だから、最初の素読みで行う「全体像」の把握は、もっと気持ちを楽にして自分の頭の引き出しに新しい知識を取り入れるためのスペースづくりをするんだ、くらいの気持ちで行ってください。
次に、いったん素読みをして知った知識を丸暗記しようとせずに、ただ浴びるように読み流していきます。忘れていいんです。忘れたら、そしてそれが試験に合格するために必要な知識なら、また、インプットをし直せばいいだけのことですから。
一度忘れた知識をもう一度思い出すときに、人は、何かに関連付けたりします。面倒くさい思いをした人ほど、次回に楽に思い出せるように工夫するようになります。それを何度か自分に経験させるのです。これは意図的に自分の体にやらせるようにしてください。そうすると、他人に頼らなくても、情報に頼り過ぎなくても、自分が一番楽に思い出せる、楽に”仕事”をこなせるように、自分の脳が勝手に考えて解決策を導き出してくれるようになります。
これはやってみた人でないと分からないと思いますが、自分の脳が勝手に動き出して”仕事”をしてくれるのです。これが習慣になってくると、「忘れて→思い出して」の距離がだんだん短くなってきます。
これを何度も何度も繰り返していくうちに、いつの間にか「覚えてしまった」という状態を作ることができるのです。
このスキルを受験勉強期間中にぜひ身に付けましょう。受験を終えると、受験生はたいてい税法の細かい知識は忘れてしまいますが、身に付けた習慣は忘れないものです。
税理士の資格を取ったら、英語を勉強してグローバルな舞台で活躍するというのも決して夢ではないのです。このようにして身に付けた勉強の習慣は、英語の勉強や他の習い事などにもすごく役に立つのですよ。
自分の経験や知人の活動などを見ていて、つくづくそのように感じます。「一生懸命やったことは何一つ無駄になっていない。」それだけは真実と言えるでしょう。