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解説 第68回

第一問 理論

問1(1)基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合であっても、法9条①が適用されず、課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて納税義務が課される期間について簡潔に述べよ。

納税義務の免除の特例について問う問題です。本問では「課税事業者の選択」法9条④~⑨、「前年等の課税売上高による特例」法9の2、「新設法人の納税義務の免除の特例」法12の2、「特定新規設立法人の納税義務の免除の特例」法12の3、「高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例」法12の4を書きます。また、法12の2及び法12の3については、調整対象固定資産の仕入れを行った場合についても触れるようにしましょう。納税義務については、納税義務の原則→免除→免除の特例の順番で条文を適用します。

(2)課税事業者である者等は、法45条の規定に基づき消費税の確定申告書を提出しなければならない。消費税の確定申告書の提出期限について、提出すべき者の態様ごとに述べよ。

消費税の確定申告書の提出期限について問う問題です。本問では、提出すべき者の態様ごとに、法人と個人事業者に分け、確定申告書の提出期限についてまとめて書きます。また、法45①は課税事業者である法人と個人事業者の両方に共通する規定です。さらに、個人事業者の課税期間は暦年である点に注意しましょう。

問2 次の(1)~(4)において、各事業者が行うべき消費税法上の手続きについて述べよ。

(1)課税事業者Aは、甲商店街で雑貨の小売店を営む個人事業者(輸出物品販売場の許可を受けていない。)である。この度、近隣の港湾施設に月に一回程度、外国から外国人旅行客が乗船したクルーズ船が寄港することとなったため、クルーズ船が寄港する日に港湾施設内に臨時で輸出物品販売場を開設することにした。

まず、課税事業者Aが臨時で輸出物品販売場を開設し、一定の輸出物品の譲渡について消費税が免除されるためには、「輸出物品販売場許可申請書」を提出し、納税地の所轄税務署長の許可を受けなければなりません。

次に、港湾施設内に臨時で輸出物品販売場を開設するため、「事前承認港湾施設承認申請書」「事前承認港湾施設に係る臨時販売場設置届出書」を提出し納税地の所轄税務署長の承認を受けなければなりません。

(2)国外事業者であるBは、全世界を対象にインターネットにより各国のニュースを配信することを目的にX国で平成29年1月に資本金100万円で新たに設立された法人(12月決算)である。Bが提供するサービスは、誰でもその提供を受けることができるもので、このサービスの提供を平成30年10月から開始する予定である。Bが提供するサービスを受ける日本国内の課税事業者がこのサービスの提供について法30条の仕入税額控除を受けることができるようにしておくことにした。なお、設立から平成30年10月までに他に売上はなく、設備投資等はサーバー2,000万円と数10万円程度の経費である。

国外事業者Bが提供する当該サービスは、誰でもその提供を受けることができるものであるため、事業者向け電気通信利用役務の提供以外の電気通信利用役務の提供である。

国内の課税事業者は、国外事業者Bが適法に消費税を申告している場合にのみ仕入税額控除が認められます。つまり、国外事業者Bが消費税を納める義務がある事業者になっていること、かつ、それを課税当局が確認できることが必要なのです。

国外事業者Bは平成29年1月に設立されているため、当課税期間(H30.1.1~H3012.31)の基準期間はなく、特定期間(H29.1.1~6.30)において売上高0円であるため、本来は消費税を納める義務はありません。したがって、国外事業者Bは消費税を納める義務のある事業者になるため「消費税課税事業者選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出します。さらに、課税当局が適法に申告しているかどうかを確認できるようにするため「登録国外事業者の登録申請書」を納税地の所轄税務署長経由して国税庁長官に提出します。

(3)課税事業者Cは、起業5年目でアイデア日用品の製造卸売業を営む個人事業者である。これまでCの売上高は毎年1,500万円前後であったが、昨年の売上高は1,800万円、これに伴う消費税及び地方消費税を合わせた年間の納税額も30万円となった。これまでは一年間の税額を確定申告で一度に納税していたが、今年より半年分について、その期間の売上げ、仕入れ等、取引金額に応じた納税を行うことにした。

課税事業者Cの当年の中間申告書の提出義務の判定を前期納税実績により行う場合、前年の確定消費税額30万円を前年の月数12で除し6を乗じて計算した金額が15万円となり24万円以下であるため、本来、六月中間申告書を提出する義務はありません。しかし、「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」当年の6月30日までに税務署長に提出した場合には、提出日以後に六月中間申告対象期間の末日が最初に到来するその期間以後については、六月中間申告書を税務署長に提出しなければならない点に注意しましょう。

また、前期納税実績に代えて、中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算を行うこともできます。

(4)課税事業者Dは、平成19年に資本金1,000万円で設立された事業年度1年の3月決算法人である。Dの課税売上高は、これまでいずれの課税期間とも3,000万円前後であったことから、消費税法37条①に規定する届出書を提出して簡易課税制度を適用して申告を行ってきた。ところが、当課税期間である12月20日に火災が発生し事業用設備が焼失したことから、これに代わる新しい事業用設備を翌年1月上旬に850万円(税込)で購入し1月20日から通常どおり営業を再開した。Dは、当課税期間の消費税の納税額等を試算したところ、当課税期間については簡易課税制度を適用せずに申告を行えば還付となることが判明したため、当課税期間については還付申告を提出することにした。なお、翌課税期間以後については、改めて簡易課税制度を適用して申告を行うことを予定している。

消費税簡易課税制度選択届出書などの提出に関する問題です。

まず、当課税期間においては、基準期間における課税売上高が3,000万円程度であり5,000万円以下であり、消費税簡易課税制度選択届出書を提出しているため、このままでは簡易課税制度が適用されます。

当課税期間において火災が発生し、災害その他やむを得ない事情があると認められるため、① 「火災等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」 ② 「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」 を災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2月以内提出し、税務署長の承認を受けることにより、これらの届出書を前課税期間の末日に提出したものとみなされ、当課税期間は原則課税が適用されます。

次に、翌課税期間以後においては、基準期間における課税売上高が3,000万円程度であり1,000万円を超えるため、課税事業者となります。また、基準期間における課税売上高が5,000万円以下であり、簡易課税制度を適用するためには、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出します。

第二問 計算

素読みの視点

問題を解く際の【方針】と【注意点】

ポイント解説

※ 独学で税理士試験の合格を目指すなら→ 税理士独学道場消費税法

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